トウキョウダルマガエルが暮らす一ノ宮用水での生きもの調査(2026.5.9.開催)

 一ノ宮用水で春の生きもの調査を行いました

4月、春の訪れとともに、一ノ宮用水で生きもの調査を行いました。  

この調査は、用水路に暮らす魚や水生昆虫、カエルなどを実際に捕まえて観察記録し、水路環境が生きものにとって適した状態に保たれているかを確認するものです。

一ノ宮用水は、平成26年に工事が行われた際に工事後も水路に生き物たちが住み続けられるように、環境に配慮した形で護岸が整備されました。主な環境配慮は、「田んぼ側を木杭の護岸とする」、「河床は細かい砂利敷きとする」、「橋の下に魚の棲みかとなる深みを作る」というもので、当会と多摩市では改修前後でどのような変化があるのかを調べるため、継続的にモニタリング調査を実施しています🎵

当日は、中学生から大人まで、生きものが好きな参加者が集まり、にぎやかな雰囲気の中で調査がスタートしました。


調査方法について

調査は、田んぼ脇の用水路を20mの3つの区間に分けて行います。  

区間の上下流を網で仕切り、生きものが逃げないようにしたうえで、1回につき3人が水路に入り、「ガサガサ」をして生きものを採集します。

足で水底をかき混ぜながら網ですくったりしながら、どんな生きものがいるのかを調べました。


確認された生きものたち

今回の調査では、次のような生きものが確認されました。

  • オイカワ
  • ドジョウ
  • タモロコ
  • ヌマムツ
  • カワリヌマエビ
  • ギンヤンマのヤゴ
  • オナガサナエのヤゴ
  • シオカラトンボのヤゴ
  • ハグロトンボのヤゴ
  • シジミ類
  • カワニナ、など

水の中には、魚だけでなく、さまざまなトンボのヤゴが見られ、この用水路が多くの生きものの棲息場所になっていることが分かります。

繁殖期を迎えるドジョウの姿も

今回の調査では、お腹に卵をもつ抱卵したドジョウや、抱精した個体も確認されました。ドジョウはこれから繁殖期を迎え、水路から田んぼへ移動して産卵します。

こうした個体が見られたことから、一ノ宮用水が、次の世代につながる大切な時期を迎えていることが感じられました。


水路にはトウキョウダルマガエルの姿も

今回特に印象的だったのが、トウキョウダルマガエルです。これまで主に下流側で確認されることが多かったのですが、今回は田んぼ脇の一番上流の区間でも採集されました。

姿を確認できただけでなく、鳴き声も聞くことができ、このエリアでトウキョウダルマガエルがしっかり生息していることを改めて実感しました。

なお、トウキョウダルマガエルは多摩市内では、この一ノ宮用水の調査エリアでのみ生息が確認されている、とても貴重なカエルです。


水路と田んぼをつなぐ「行きやすさ」が命

トウキョウダルマガエルには、吸盤がありません。そのため、垂直なコンクリートの壁を登ることができず、水路から田んぼへ上がれる場所がないと生きていけません。

ドジョウも同じく、田んぼで産卵する生きものです。水路と田んぼを行き来できる「導線」がとても重要になります。

一ノ宮用水では、こうした生きものの特徴を考え、水路と田んぼがつながる構造が確保されています。  

そのおかげで、都内では貴重になったトウキョウダルマガエルやドジョウが、今もここで暮らし続けることができているのです。


アメリカザリガニは毎回確認…

一方で、調査のたびに必ず見つかるのがアメリカザリガニです。  

見つかった個体はその都度処分していますが、なかなか数が減らず、引き続き対策が必要な状況です。在来の生きものを守るためにも、継続した調査と管理の大切さを改めて感じました。


参加者の声と、これから

当日は、中学生から大人まで、生きものが大好きな参加者が集まり、  

「こんな生きものがいたんだ!」  

「トウキョウダルマガエルの鳴き声が聞けて良かった」  

といった声が聞こえてきました。

一ノ宮用水は、人の手が入ることで、生きものと共存できている貴重な場所です。これからも調査を続け、この環境を次の世代につないでいきたいと思います。



おまけ

調査の最中、水路の上流側でカワセミが現れる場面にも遭遇しました。

土手にとまって水面をじっと見つめたかと思うと、次の瞬間には勢いよく水路にダイブし、小魚をくわえて飛び去っていきました。



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